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当社をお選びいただいた理由をお聞かせ下さい。
当初、ハウスメーカーへ依頼することも考え検討していましたが、この家には難題がありました。地下はRC壁構造のモジュール、1,2階は木造の日本家屋の寸尺という異なる尺度を持つ建物だからです。
単に上下をつなぎ合わせただけのチグハグなものになってはいけません。
主にイタリアのサルトリアの服やビスポーク靴の依頼を長年に渡り重ね、そこから学ばせて頂いたことがあります。それは、フォルムを決定付けるのはプロポーションとバランスだということです。
「ヨーロッパのモジュール概念に、いかに日本の寸尺の比率が融合するのか?」これがこの家の課題でした。
階ごとにフォルムが分断されることなく、ひとつの建物としての一体感と均整を、数理に基づく美しさで解くには、最終的に連合設計社以外の選択肢は残りませんでした。
完成後、西欧の訪問客から「日本家屋は初めてだがバランスが素晴らしい」と言われ、また道行く人から目立つわけでもないこの家を褒めて頂くことが少なくありません。
連合設計社を選択した喜びを感じる時です。
家を建てるにあたって、こだわりたかったポイントをお聞かせ下さい。
音楽を聴く家族がおり、オーディオルームのために家を建てるに至りました。
遮音、音の吸収、反響のみならず、機材の設置環境の些細な違いによって変化する音に対し、床を水平に保ち、単独電源を引くなど設計士さんには大変なご苦労をお掛けしました。
お陰で納得の行く範囲のものとなりました。
連合設計社との家づくりで、心に残るエピソードがございましたら教えてください。
前記のオーディオルームは、地下に位置します。洪水などによる水害リスクを回避する為、床下を数メートル掘り下げました。そうしたところ、今度は床が太鼓のように反響してしまいました。
解決が困難な諸々の場面で、設計士さんの人柄に触れることになる現場でした。それは施主のみならず、棟梁や職方も感じてらしたことと思います。今も心に残る有り難いご対応でした。
実際に住み始めて、住まい心地はいかがでしょうか。
2階廊下の一部がスノコ状で吹き抜けになっています。この廊下が落とすストライプの影は、光の方向によって平行にも交差にも幾何学的な模様を壁に床にと映し幻想的な空間をつくってくれます。しかしこれに思わぬ落とし穴がありました。この吹き抜けが、時として2階で就寝する者の妨げとなり、冬は寒さの原因となるのです。
この問題は透明アクリル板の設置により解消しました。影は今も楽しんでいます。
想像以上に便利だったのは、玄関から続くクロークを兼ねた靴収納の土間です。この土間は、連合設計社の代表作である作家「壺井栄邸」の土間をヒントに設けられました。壺井邸の土間は、次々に来訪する編集者が靴を脱がずに対応できるよう設計されたようですが、私共の一番の目的は大量の靴の収納でした。椅子を数脚配置しているので、靴の脱ぎ履きのみならず、犬の散歩途中の友人が立ち寄ってはここで談笑をします。
全身を映す壁面の鏡は日頃の靴や服のコーディネイトに大変便利ですし、仮縫い時にもこの土間が活躍します。
書籍も日々増加し書庫スペースの可動式書架も一杯になりつつあり、一基増設を検討しています。
大量の服や靴など物の増加にもかかわらず、竣工時と変わらないある種ガランとした空間が保てているのは、設計士さんが意匠に偏ることなく機能においても将来を見据えた設計を熟慮下さったお陰だと思います。
これから建てる皆様へ一言お願いします。
設計士には設計士の仕事があるのと同様に、施主には施主の責任があります。
納得のいくものにするためには、設計士のみならず施主もその責任を分かち、果たすことが秘訣だと思います。












