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山荘は家族で使う事もあれば仲間で使う事もある。そこでの生活を特定する事はできないが、全てが一室として使える空間が良い。
寝る時だけ仕切り、それ以外は開放的に使う。これを具現化する方法が建具である。
大泉の山荘は四尺五寸グリッドを基調として、居間を中心に食堂、寝室、縁の間がつながる平面構成である。
居間と寝室との境は建具三枚で仕切り、開放時は収納室脇の壁の中へ引き込む。居間と食堂との境は建具二枚で仕切り、開放時は壁の脇へ引く。全開すると居間、食堂、寝室、縁の間が一体の28帖大の空間となる。
八ヶ岳南麓に位置する大泉の山荘は北に八ヶ岳連峰、南に富士山を望む事ができるため、居間から周囲の山々を眺められるように開口部の位置を決めた。
その自然を内部に取り込むため、主要な開口部には木製の全開サッシを採用した。特に縁の間出隅を全開にすると、内部が自然と一体の空間になる。
敷地は北東から南西にむかって二メートル下がっている。その高低差を利用して、三間角の方形を南西方向へ葺き下ろす架構とした。中心にかぼちゃ束を用い、そこへ登り梁と隅木を差し込む構造なので、内部は柱が不要となる。方形架構は三間角まで内部を無柱空間にできるため、山荘のように開放的に使う空間には適している。
方形の中心を平面上の中心から対角線上にずらし居間、食堂、寝室の接点にすることで、内部空間に対角線方向への動きが生まれる。さらに居間の上部には丸太のタイコ梁を入れ、居間から縁の間、デッキへとつながる軸線を意識させた。これがこの山荘の空間で一番の見せ場である。(大塚広平)
甲斐大泉の山荘
住宅建築2007年5月号 No.385
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