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求められた機能と大きさと敷地の関係から居住空間に不可欠な光・通風・換気を無方位に取り込むこと、そして何より家の中に風景を獲得する明確な意思が、坪庭を囲む空間の形式を採用させている。
地上階は、4尺5寸グリッドを基調とした木造和小屋であり、地下は坪庭の風景を取り込むべく、スラブを通じて外周壁に応力を負担するRC壁構造である。
一階は、居間・食堂と座敷を、坪庭を基点として対角で構成し、その入隅にL字で配された各々の木製全開サッシは、内外の空間を視覚的に繋いでいる。
また、モミジ・セキショウ・シダといった可憐な草木の基壇は、地下のバスコートに向かって対角に地面が 二度押し下げられ、奥行をつくり出している。坪庭には、他にも?(かけひ)や半帖大 の石庭、濡縁や外に押し出された戸袋などの道具立てにより構成されている。
二階は、四畳半と六畳の寝間が戸襖により可変され、板塀により限定化された庭との 間に4尺5寸間の"縁"が配されている。
掃き出しの木製全開サッシは、内外の視線を繋ぐだけでなく、"縁"の一部を簀の子(すのこ)とすることで、一階にも光を導く。
縁や板塀で構成された庭を二階に持ち上げ、足下で広がる下階の風景との再構成を行っている。
地下のバスコートからは、RCスラブ面のフラットな開口によりトリミングされた伝統的な町家の下からの新しい絵画化を試みている。 全体の色調は、外から内へ、地下から地上へ彩度を与え、花色・藤紫・朱といった伝統的な色彩を視線の繋がりとして対比的に扱っている。
座敷の内外に描かれた二枚の襖絵は、オーナーと描かれる世界を語り合って生まれた心象風景であり、簀の子を通して光と影が重なり合うように、目の前に映し出される現象風景と幾重にも織り重なっている。(戎居連太)
西原の家
住宅建築 2006.2月号掲載 no.371
チルチンびと 2006 JULY 37号掲載
Architects: 吉田桂二 + 戎居連太
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