![]()
軽井沢の駅から車で10分、国道から一本脇道に入った標高1000mの位置にこの山荘はある。
建主は都内にお住まいの自然をこよなく愛するご夫妻。やがては終の棲家となるが、当面は別荘として使用するため訪れる人も多岐にわたる。
敷地内の樹木は建主の希望もあり出来うる限り残し原風景を損ねないようにした。それにより急勾配のアプローチにも自然な湾曲が生まれた。
建物は北側の隣地に可能な限り寄せ、隣地境界には地元産の浅間石で土留めをつくった。不規則な大きさの石が土地に馴染み、自然な表情をみせている。土留めを兼ねた基礎で土地造成を最小限にするとともに、その基礎を南側と西側でキャンティレバーにして建物に軽やかさを与えた。また、建物の高さは極力抑え、土地の傾斜に沿うように屋根をかけることで自然景観との調和を図った。
玄関を入るとガラス格子戸があり、その奥に玄関土間がある。建具を二重にすることで冬場の断熱効果を期待できる。玄関土間からは居間・食堂・台所へのメイン動線と納戸・水廻りへのサブ動線がある。食堂の西側には段差なくつぎの間とおくの間が広がり、そのまま西側のデッキへとつながる。おくの間は洗面脱衣室へつながり、デッキは浴室からの出入りが可能である。2階には9.5畳の板の間が一室。吹抜け面に掃きだし障子を入れて上下階の一体感を高めるとともに、1階開口部を介して外の景色も楽しめる。
訪れる人の構成や用途が多岐に渡ることの多い山荘では使用目的を限定しない空間が求められる。この山荘では計6枚の建具が室内を縦横に走り、無限定空間をつくり出している。クロスしたレール上を走る建具は目的に合せて様々な形に部屋を切り取ることが出来る。また、この建具は全て壁際に収まるので、開放すれば30畳大の大空間となる。
南側・西側の開口部には全開できる木製サッシを採用した。サッシを全開すると、おくの間は出隅の柱を残して外部へひろがり、居間とつぎの間の南面は内外の境界が喪失し、切り取られた風景がダイレクトに視界に飛び込んでくる。キャンティレバーで建物がせり出していることがその効果をより高めている。
軽井沢の山荘
住宅建築2007年5月号 No.385
![]()


HOME
サービス
お問い合せ




前のページ へ